またにてぃsaxプレイヤーの妊娠・出産記

4.衣装が・・・!

 やはり、演奏で舞台に立つ以上、衣装の問題は重要である。毎年いちばん本番の多い12月、だんだんお腹がでてきて、それまでの衣装がことごとく入らなくなる。ズボンはホックがとまらないし、ベルトなんかいちばん最後の穴もきつくなる。本番の真っ最中にホックが「ぶち」なんていうことになったら・・・と思って、ズボンを履いてる時はどきどきひやひや、気が気でなかった。

 このときに備えてドレスだけは事前にいくつか大きめの衣装をそろえておいたのだけど、そのときはまさかこんなにデカイサイズ、よっぽどだなーと思ったけどこれがぴったり、けっこう重宝して、やっぱり買っててよかった・・と思う。だけどまだまだこのころは本番でもおなかの大きさはさほど目立たず、きっとお客さんには「ちょっとぽっちゃりしてるな」ぐらいにしか思われていなかった。(まじで何人かに「ちょっと太ったね」と言われた)しかし、それはそれでちょっとショックであった。たしかに、ほんとにすこし太ってもいたのだけど・・。これは赤ちゃんがいるからなのー!、と舞台で叫べたらなあ・・・なんて。

 しかしこの衣装もとうとう8ヶ月にもなるとダメで、最後にはお裁縫の上手なとなりの家のおばちゃんにオーダーメイドの衣装を作ってもらったのである。採寸に行って、「うわーこんなにもおっきいの!?」とおどろかれる。「でもまだまだおっきくなるんよねー。すごいわあー」って、おばちゃんも2人も子供を産んでるのに、そんなにもびっくりせんでも・・・(^^;

 そうそう、妊娠してるとわかると、いろんな人生の先輩、つまりおばちゃん達はいろんなことを教えてくれるのであった。「つわりのときはたいへんよー」「カルシウムをたくさんとってー」「そのうちお腹を蹴られるわよー」「お腹が出てくるとあんなこととか大変よー」などなど。思えば、子供を持つおばちゃんにとって私は可愛い後輩なんだろうな。きっとみんないろいろ教えたくてウズウズしちゃうんだろうなあ・・・。行く先行く先で人生の先輩からアドバイスやら出産苦労話やらを聞く。思えば、おばちゃん達も初めて妊娠し、出産したときは私と同じ新米ママで、その気持ちって今の私と同じだったんだなあ、とふと思う。そうやって人生が、世代から世代へ、つながっていくんだな・・と。

 しかしこのいろんなおばちゃんの話は「世の中いろんな妊娠・出産があるもんだ」と勉強になった。人それぞれのお産の違い、もあるけど今と昔のお産への考え方、お産の仕方の違いもじつにいっぱいある。昔は「お産とはこういうもの」みたいな確固たるものがあったけど、そういうのもちょうど私の母親ぐらいの世代から変わってきているみたい。今では「お産」はホントに多様化している。お産に対する考えも、お産の仕方も。「自らが育んだ命を大事に守り育てる為の大切な第一歩」お産は世の中に一人の人間を産み落とす、というただそれだけではない、とても大事なことなんだなと感じるようになっていた。

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